アシックス S4+ YOGIRI レビュー|300km走って分かった「硬い」の正体とサブ3.5の適正を検証

アシックス S4+ YOGIRIを、サブエガランナーが300km走り込んで検証しました。
「硬い」、「反発がない」
ネットで調べると、ネガティブな意見が目につくシューズです。果たしてこれらの口コミは正しいのか。比較対象にこのシューズの上位シューズ、メタスピード エッジ パリを据えて、実走データと構造の両面から徹底的に確認しました。
結論を先に言うと、このシューズはキロ4分半〜5分で走る人に向けた設計であり、対象ランナーにとっては十分実用的なレースシューズです。
- 「硬い」は正しい。ミッドソールFF TURBO+がメタスピードより潰れにくい
- カーボンによる「反発はある」。カーボンの剛性はメタスピード エッジ パリと同等。
- 適正ペースはキロ4分半〜5分。サブ3.5〜サブ4を狙う人に向けたシューズ
- キロ4分より速く走りたい人・ストライド走法でシューズの反発を活かしたい人には向かない
アシックス S4+ YOGIRI のスペック|重量222g・ソール厚さとカーボン構造を解説

まずスペックを確認します。ユニセックス展開のみ(ワイドサイズは設定なし)です。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 重量 | 222g(26cm・私の実測) |
| スタックハイト | ヒール39.5mm/フォア33.5mm |
| ドロップ | 6mm |
| ミッドソール | 上層:FF TURBO+ 下層:FLYTEFOAM |
| カーボン | フルレングス・スプーン形状カーボンプレート |
| アウトソール | AsicsGrip |
アシックスS4+ YOGIRI のサイズ感
サイズ感はMETASEEDシリーズと同等です。私は普段26cmを使用していますが、S4+ YOGIRIも26cmでジャストフィットでした。ハーフ〜フルレングスの厚底カーボンシューズとしては軽量な部類に入ります。
あきら参考までに私の他のシューズのサイズ感を以下に示します。
- Asics エボライドスピード 3 26cm(ワイド) ぴったり
- Asics メタスピード エッジ(スカイ) 東京 26cm ぴったり
- Asics Novablast 5 25.5cm(ワイド)短め
- Asics Hyper Speed 4 25.5(ワイド)短め
- Asics S4+yogiri 26cm ぴったり
- Nike Vaporfly 4 26cm 幅狭め
- Nike Dragonfly 2 26cm 幅狭め
「硬い」の正体はミッドソール|メタスピード エッジ パリと比較してわかったこと
ネット上で最も多いネガティブ意見が「硬い」です。これは実走でも確認できました。ここでは2つの観点(ミッドソールとカーボン)に分けて、硬さの正体を解説します。
ミッドソールの硬さ:エッジ パリと比較すると明確な差がある
メタスピード エッジ パリとS4+ YOGIRIを、シューズを履いた状態で体重を1点集中させる簡易テストを実施しました。結果は明確で、S4+ YOGIRIはエッジ パリと比べて明らかに潰れない、つまりミッドソールが硬いことが体感で確認できました。


ミッドソール素材は似ているように見えて、実は設定が異なります。
| 項目 | S4+ YOGIRI | メタスピード エッジ パリ |
|---|---|---|
| ミッドソール上層 | FF TURBO+ | FF TURBO+ |
| ミッドソール下層 | FLYTEFOAM | FF TURBO+ |
同じFF TURBO+を上層に使用しているにもかかわらず、S4+ YOGIRIの方が明らかに潰れが少ないです。アシックスが意図的に硬く設定しているのだと思います。
実際のテストの様子は動画でも確認できます。
あきら「硬い」という口コミは正しいです。ただし「硬い=悪い」ではありません。この潰れにくさが前方への転がりを促す設計と組み合わさって、特定のペース帯では独特の推進感を生み出しています。
カーボンの剛性:エッジ パリと同等水準
次にカーボンプレートの剛性を確認しました。シューズを地面に置いて上から強く押す形で比較したところ、S4+ YOGIRIとエッジ パリはほぼ同等の剛性で、どちらもほとんどたわみませんでした。


S4+ YOGIRIはフルレングスのスプーン形状カーボンを採用しており、これはメタスピード エッジ系と同種の設計です。カーボンそのものの推力・反発ポテンシャルはエッジ パリと同等水準と考えてよいでしょう。
- 同じ素材でもS4+YOGIRIのミッドソールは硬く、シューズが潰れにくい(沈みにくい)
- カーボンプレート自体の剛性はメタスピード エッジ パリと同等
- 硬いはそのとおりだが、カーボン自体の剛性は高く反発はある。
では「硬いカーボンシューズ」が実走でどう感じられるか。次のセクションで詳しく説明します。
300km走行レビュー|ペース別(ジョグ〜レースペース)の使用感を正直に報告

300km走行後のアウトソールの状態
ロング走・スピード練習・ジョグの3つの場面で合計300km走り込みました。各ペースでの使用感を正直にお伝えします。
まず、下図は300km走行後のアウトソールの状態です。アウトソールのパターンは残っており、まだまだ走れそうです。アウトソールの耐久性は高いと言えるでしょう

様々なペースで走ったレビュー
約6分/kmのジョグではミッドソールの硬さがはっきり感じられ、板のような感覚があります。ミッドソールが潰れないため、厚底特有の「踏み込んでビヨ〜ンと返ってくる」感覚が得られません。
ただし、前方への転がりを促す設計のおかげで、前傾して踏み込むと自然に脚が前に出る感覚はあります。「オートラン」的な推進感が得られるので、そこそこ気持ちよく走れる場面もありました。
ジョグでの使用は快適性を重視する方には向きません。デイリートレーナーとの使い分けをおすすめします。
🔷 ペース別使用感まとめ
| ペース | 使用感 | 評価 |
|---|---|---|
| 6分/km(ジョグ) | 硬さが目立ち、快適性低め | △ |
| 4分30秒/km(ロング走) | 安定感◎。前方への転がりを促す設計が機能する | ◎ |
| 4分/km(マラソンペース走) | スーパーシューズより脚力を必要とする。 | △ |
| 3分20〜30秒/km(インターバル) | シューズからの助力が小さくスピードが出にくい | × |
S4+ YOGIRI はサブ3.5向け?|向く人・向かない人をペースで整理
300kmの実走から導き出した、このシューズが向く人・向かない人を整理します。

- キロ5分〜4分半前後で走る人:このペース帯で前方への転がりを促す設計の恩恵を最も受けられる
- サブ3.5〜サブ4を目標にしている人:適正ペースとターゲットタイムが合致している
- ピッチ走法でシューズを転がすように走る人:「オートラン」風に足が出て進みやすい
- 安定したロング走シューズを探している人:長距離での左右ブレが少なく、安心感がある
- キロ4分より速く走りたい人:シューズからの助力が小さい
- サブ3を狙うレースシューズを探している人:メタスピード等のフラッグシップモデルを選ぶべき
- ストライド走法でシューズの反発を活かして走りたい人:潰れにくいソールとの相性が悪い
- ジョグ・回復走にも使いたい人:硬さが快適性を下げる。デイリートレーナーと使い分けを
まとめ|アシックス S4+ YOGIRI の評価と正しい使い方

このシューズの適正ペースはキロ4分半〜5分です。このペース帯では前方への転がりを促す設計との相乗効果が働き、気持ちよく走れます。サブ4〜サブ3.5を狙う方のレースシューズとして、このシューズはおすすめできます。
一方で、キロ4分より速いペースや、シューズの反発をフルに活かした走り方を期待する方には向きません。その場合はメタスピード エッジ系や他社のフラッグシップカーボンシューズを検討してください。
- 「硬い」の正体:同じ素材のミッドソールだがメタスピードり潰れにくく設計されている
- カーボン自体の剛性はメタスピード エッジ パリと同等。カーボン推力のポテンシャルは確かにある
- ジョグや速いペースへの汎用性は低い。使い分けを前提に導入するのがベスト
- 適正ペースはキロ4分半〜5分。サブ3.5〜サブ4用のレースシューズとして高く評価できる
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