2026年2月22日に開催された大阪マラソン。2月のレースとしては異例の最高気温21℃を記録し、大会公式サイトも事前に「気温上昇にご注意ください」と異例の警告を出していました。
この暑さ、実際にどれくらいゴールタイムに影響したのでしょうか?マラソン攻略シミュレーター(MSS)で検証してみました。
大阪マラソン2026 当日の天気・気温データ
まず、当日の気象データを整理しましょう。
- スタート時(9:15): 晴れ、気温11.3℃、湿度59%、北の風0.8m/s
- 10km地点(約10:00頃): 気温12.4℃
- 日中最高気温: 21℃(4月並み)
- 天候: 晴れのち曇り
スタート時の11.3℃は、マラソンにとって「ほぼ理想的」な気温です。しかし、問題はここからどんどん気温が上がっていったこと。日中には21℃に達し、これは大阪の2月の平均最高気温(約9℃前後)を大きく上回る、まさに4月並みの暖かさでした。
風はスタート時で北の風0.8m/sとほぼ無風。大阪マラソンのコースは市街地を複雑に回るため、特定方向の風の影響を受けにくい特徴もあり、今回は「風の影響はほぼゼロ、気温だけが問題」という状況でした。
走力で変わる「体感気温」|同じレースで違う天気を走る理由

ここが今回の記事で一番伝えたいポイントです。
あきら同じ大会に出ていても、走力によって体感する気温がまったく違います。トップ選手は涼しいうちにゴールしますが、市民ランナーは気温が上がりきった時間帯を走ることになるのです。
走力別の「体感する気温帯」
| ランナー | 目標タイム | 走行時間帯 | レース中盤〜後半の気温 |
|---|---|---|---|
| トップ選手 | 2:05前後 | 9:15→11:20頃 | 12〜15℃ |
| サブ3ランナー | 3:00 | 9:15→12:15頃 | 12〜18℃ |
| サブ3.5ランナー | 3:30 | 9:15→12:45頃 | 12〜20℃ |
サブ3.5ランナーがゴールする12:45頃には、気温はほぼ最高気温に達しています。スタート時から約9℃も上昇した環境で後半を走ることになるわけです。
マラソン攻略シミュレーターで検証|気温上昇によるタイムロスは何分?
では、この気温差は具体的に何分何秒のタイムロスになるのでしょうか。マラソン攻略シミュレーター(MSS)で検証しました。
MSSは、コースの高低差、風速、気温などのパラメータから、物理計算に基づいてゴールタイムを予測するツールです。

検証条件
- コース: 大阪マラソン(大阪府庁前→大阪城公園)
- 風: 無風(0 m/s)
- 比較方法: ベースライン気温(10℃)と実際の気温で比較
ベースラインの10℃は、2月の大阪でマラソンに理想的な気温として設定しました。これと、各ランナーがレース後半に体感する気温を比較します。
パターン①:トップ選手(目標 2:05:00)
11:20頃にゴールするトップ選手にとって、気温はまだ15℃程度。比較的影響は小さいはずです。設定気温は13度とした場合のシミュレーション結果です。

| 条件 | 気温設定 | 予想タイム | 差分 |
|---|---|---|---|
| ベースライン | 10℃ | 2:05:36 | — |
| 当日条件 | 13℃ | 2:06:08 | 32秒 |
あきらトップ選手にとっては32秒程度の影響。実際、ハッサン選手は2:05:20の大会新記録を出しており、この気温帯ではまだ十分に好記録が出せる条件だったといえます。
パターン②:サブ3ランナー(目標 3:00:00)
12:15頃にゴールするサブ3ランナー。後半は18℃近い気温の中を走ることになります。設定気温は16度とした場合のシミュレーション結果です。

| 条件 | 気温設定 | 予想タイム | 差分 |
|---|---|---|---|
| ベースライン | 10℃ | 3:01:00 | — |
| 当日条件 | 16℃ | 3:06:40 | 5分40秒 |
あきらサブ3を目指すランナーにとって、この「5分40秒」の差は決して小さくありません。ギリギリでサブ3を狙っていた方は、暑さだけでタイムオーバーしてしまう可能性があったということです。
パターン③:サブ3.5ランナー(目標 3:30:00)
12:45頃にゴールするサブ3.5ランナー。気温20℃に達する時間帯を走る、今回最も影響を受けるグループです。

| 条件 | 気温設定 | 予想タイム | 差分 |
|---|---|---|---|
| ベースライン | 10℃ | 3:31:12 | — |
| 当日条件 | 18℃ | 3:46:34 | 15分22秒 |
サブ3.5ランナーへの影響が最大
あきら気温10℃と18℃の差で、ゴールタイムになんと「15分22秒」の遅れが生じます。「今日は調子が悪かった」と感じた方、それはあなたの実力不足ではなく、気温のせいかもしれません。
検証結果|サブ3で5分40秒、サブ3.5で15分22秒のタイムロス
3パターンの検証結果を並べてみましょう。
気温によるタイムロスまとめ
| ランナー | ベースライン(10℃) | 当日条件 | タイムロス |
|---|---|---|---|
| トップ選手 | 2:05:36 | 2:06:08(13℃) | 32秒 |
| サブ3 | 3:01:00 | 3:06:40(16℃) | 5分40秒 |
| サブ3.5 | 3:31:12 | 3:46:34(18℃) | 15分22秒 |
走力が遅いほどタイムロスが大きくなる理由は、2つあります。
1つ目は、フィニッシュが遅い分、気温が高い時間帯を長く走ることになること。2つ目は、走行時間が長いほど体温上昇と脱水の影響が蓄積すること。つまり、暑さ対策はトップ選手よりも市民ランナーにこそ重要なのです。
暑さ対策|気温が高いレースでタイムを守る方法
今回の大阪マラソンのように、予想外の気温上昇が起きた場合、どう対処すればよいのでしょうか。
事前にシミュレーションしておくのが最も効果的です。レース前日に天気予報を確認し、MSSで気温パラメータを変えてシミュレーションすれば、「この気温なら目標タイムから〇分遅れる」と事前に把握できます。
これがわかっていれば、「今日は暑いから前半を少し抑えよう」「サブ3は厳しいから、3:06を現実的な目標に切り替えよう」といった冷静な判断ができます。暑い中で無理にペースを維持しようとして後半大失速するのが、最悪のパターンです。
あきら「目標タイムに届かなかったけど、気温を考えれば実質PB相当だった」。そう思えるだけで、レース後の満足度はまったく違いますよね。
まとめ|大阪マラソン2026 天気の影響とMSS活用のすすめ
大阪マラソン2026は、2月としては異例の最高気温21℃を記録しました。MSSによるシミュレーションでは、この暑さによるタイムへの影響は走力によって異なり、サブ3.5ランナーでは約15分のロスが生じるという結果でした。
暑さはトップ選手よりも市民ランナーに大きく影響します。次のレースでは、天気予報を確認したうえでMSSでシミュレーションし、気温を考慮した現実的なペース戦略を立ててみてください。
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あなたの目標タイムと出場予定の大会コースで、気温や風の影響をシミュレーション。科学に基づいたペース戦略で、次のレースに備えましょう。
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