ここ数年、日本各地で熊の出没が常態化しています。
山奥の話ではありません。住宅地の裏山、河川敷、そしてランニングコースそのものがリスクゾーンになりました。
そこで今回は、最新AI「NotebookLM」に熊対策を丸投げしてみました。
NotebookLMとは何か?
NotebookLMは、Googleが提供するリサーチ特化型AIです。
通常の生成AIと違い、次の点が決定的に違います。
- 与えた資料だけを根拠にする
- 出典が明確
- 情報を「再構成」してくれる
今回やったことは、実にシンプルです。
- 「熊対策ランニングについて」Deep Research
- 「スライド資料」をクリック
たったこれだけ。
2クリックです。
その結果、腰を抜かすほど完成度の高いスライドが生成されました。
NotebookLMが提示した「新時代の熊対策」
まず、出力されたスライドの全容をご覧ください。これは、AIがDeepReserchで環境省のマニュアルや近年の被害事例を学習し、スライド形式に自動生成したものです。(画面クリックでページがめくれます。)
データが示す「恐怖のパラダイムシフト」
生成されたスライドでまず、AIが突きつけてきたのは「場所」の変化です。

このグラフを見てください。 かつて熊の被害といえば「山林」が主でした。しかし近年、「住宅地・市街地」での被害が山林を上回る勢いで急増していることがわかります 。
つまり、私たちがロード(舗装路)を走っているからといって、もう安全地帯ではないということです。「今日はガチの登山じゃないから」という言い訳は、もはや通用しません。
ランナーが背負う致命的なリスク「The Runner’s Paradox」
AIはトレイルランナー向けの特別なプロトコルを提示してくれました。

スライドには「The Runner’s Paradox(ランナーのパラドックス)」という聞き慣れない言葉があります 。 AIの分析は極めて論理的かつ残酷です。
「ランナーの速度は、クマと人間がお互いを認知し回避するための時間的猶予を劇的に短縮させる」
では、どうすればいいのか? AIが出した「ランナー専用プロトコル」は以下の2点でした。
- 音の常時最大化:風切り音に負けない、遠くまで響く「ベル型」の熊鈴
- スプレーの即時アクセス性:走りながら一瞬で手に取れる位置への携帯
ここで重要なのは、2つ目の「即時アクセス性」です。
熊撃退スプレーの正しい知識と技術
AIのスライドには、はっきりとこう書かれています。
『ザックの中では意味がない。』

熊撃退スプレーは、遭遇してしまった時の「最後の物理的手段」です 。しかし、多くのランナーが犯している間違いがあります。それは「ザックの中にしまっていること」です 。
時速60kmで迫る野獣を前に、背中のザックを下ろして、ジッパーを開けて…なんて時間はありません。 スプレーは「すぐに抜ける場所(ザックの胸ポケット等)」になければ、持っていないのと同じです 。
安価な護身スプレー(対人用)は射程が短く、熊には効果が薄いどころか危険です。模造品に注意し、EPA(米国環境保護庁)準拠品を選んでください。

EPAが推奨する基準は以下の4点です。
- 有効成分:主要カプサイシノイド濃度が1-2%
- 噴射距離:7.6m以上
- 噴射時間:最低6秒以上
- 内容物:最低225g以上
EPA準拠の熊撃退スプレーの在庫は以下から確認してください。
万が一遭遇したら? AIが教える「距離別」対処法
装備を整えた上で、実際に遭遇してしまった時のシミュレーションもAIは完璧にまとめてくれました。
距離別の対処法を示してくれていますが、いつでもスプレーを噴射できる心構えが必要でしょう。

最終防衛ライン:バックパックは「盾」になる
もしスプレーが間に合わなかったら? AIは、最悪の事態における「ダメージを最小限に抑える姿勢」まで図解してくれました。

- うつ伏せになる:致命傷となる顔と腹部を守ります 。
- 首と頭を保護:両手で首の後ろをガードします 。
- バックパックを盾にする:これが極めて重要です 。
背負っているバックパックが、背中への爪や噛みつきに対するプロテクターになります。 ある程度生地がしっかりしていて、荷物が入っている(クッションになる)ザックが推奨されます。
トレランザック定番3選は以下のとおりです・
Q&A
NotebookLMとのチャットでの質疑応答結果の抜粋です。
Q1. 熊撃退スプレーの運び方の注意点は?
- 航空機での輸送は不可 熊撃退スプレーは高圧ガスや引火性液体を含む危険物に該当するため、機内への持ち込みも、預け入れ荷物(受託手荷物)に入れることも航空法により厳しく禁止されています。
- 陸送便(トラック便)での事前配送 飛行機で移動する場合、スプレーはトラックなどの陸送便を利用して、目的地の宿泊施設や営業所止めで事前に送る必要があります。航空便扱いで送ろうとすると搭載不可として返送される可能性があるため、必ず「陸送」を指定してください。
- レンタルの活用 輸送の手間やリスクを避けるため、現地でのレンタルサービスを利用するのが最も確実な方法の一つです。例えば、モンベルなどの一部店舗では要事前予約でレンタルを行っており、荷物として携行が難しい遠征時に便利です。知床など一部の観光地でもレンタルが行われています。
- 公共交通機関・市街地での携行(法律上の注意) 移動中(電車やバス、市街地など)に、すぐに使える状態で腰にぶら下げるなどして携帯すると、軽犯罪法(凶器携帯)の適用を受ける可能性があります,。 移動中は、必ずザックの中にしまい、登山用品やランニング装備と一緒に「一体的に」荷造りしてください。「山間部での活動という正当な理由」のために運んでいることを客観的に証明できるようにしておく必要があります,。誤噴射防止のため、安全クリップを確実に装着し、可能であればポリ袋で密閉するなどの配慮も推奨されます。
Q2. 子グマに遭遇した場合の適切な行動は何か?
子グマを見かけた瞬間に、以下の行動をとってください。
- 即座に立ち去る 子グマに気づいたら、母グマに見つかる前に、あるいは母グマが攻撃態勢に入る前に、速やかにその場から離れてください,。トレラン中であっても足を止め、状況を確認しつつ後退します。
- 間に入らない 最悪のケースは、母グマと子グマの間に人間が入ってしまうことです。母グマは子供を助けるために躊躇なく攻撃してきます。周囲をよく確認し、母子の分断を避ける位置取りで後退してください。
- 熊撃退スプレーの準備 前回のご質問にあったスプレーの出番です。母グマが突進してきた場合に備え、安全クリップに手をかけ、即座に噴射できる準備を整えつつ後退してください。
Q3. なぜ熊は人間を襲うのですか?
熊が人間を襲うのは、多くの場合「驚き」や「守るため」ですが、ランナーの場合は「走ることで獲物と認識させてしまう」リスクが加わります。
例えるなら、熊にとって人間との遭遇は「自宅に突然、見知らぬ侵入者が現れた」ような緊急事態です。その侵入者が急に背を向けて逃げ出せば、「怪しい、捕まえろ」という本能が働きます。だからこそ、「私は侵入者ですが、敵意はありません。静かに帰ります」という態度(=立ち止まり、穏やかに声をかけながら、ゆっくり後退する)を示すことが、襲撃を避ける唯一の対話手段となります。
まとめ
NotebookLMで2クリックで出力されたスライド、いかがでしたでしょうか。 中身の正確さもさることながら、このまま講演会でスクリーンに映しても通用するレベルのデザインと構成力には、正直驚かされました。
ちなみに、NotebookLMでは情報を1枚にまとめた、インフォグラフィックも生成できますので、試しにやってみた結果がこちらです。

いやー、こちらも驚くほどの完成度です。自分では1日かかってもこのレベルの資料は絶対作れません。
これからの時代、ランナーに必要なのは「脚力」だけではありません。「情報収集力」もまた、私たちを危険から守り、楽しみを広げてくれる武器になります。
AkiRunでは、今後もこうした超便利な最新AIをうまく使いこなし、あなたのランニングライフを「科学」と「テクノロジー」でアップデートする情報を発信していきます。楽しみにしていてください!




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